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米3月ISM製造業景況指数、2013年5月以来の水準へ沈む

by • April 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2255

ISM Manufacturing Sentiment Weakens To Its Lowest Level Since May 2013.

米3月ISM製造業景況指数は51.5となり、市場予想の52.5を下回った。前月の52.9にも届かず、2013年5月以来の低水準。内訳をみると新規受注が前月の52.5を下回り51.8、雇用も前月の51.4以下の50.0となり、そろって2013年5月以来の水準へ低下した。新規輸出受注もドル高を反映し47.5となり、前月の48.5から下げ幅を拡大。西海岸の港湾労働者ストライキが収束したにも関わらず、入荷時間は50.5と前月の54.3を下回っただけでなく直近で最低。受注残も49.5と、分岐点割れへ戻した。仕入れ価格は39.0と、原油安一服に合わせ4ヵ月ぶりの40台回復が視野に。生産は、前月の53.7は53.8へ若干上昇した。

ドル高がじわじわ、製造業活動をむしばみつつあるようです。
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(出所:Bloomberg)

BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、今回の結果をにつき「18業種のうち10業種が拡大を報告し前月の12業種から減少した」と指摘。縮小を示したセクターは7業種で、前月の3業種から増加しており「服飾、革製品・化学製品、繊維、石油・石炭製品、電気機器、部品、雑貨、プラスチック・ゴム製品、家具関連が落ち込んだ」という。米3月雇用統計を前にISMの雇用が分岐点まで鈍化したほか、米3月ADP全国雇用者数も20万人の節目を割り込んでおり「当方の米3月非農業部門就労者数(NFP)の予想26.0万人増を下回りかねない」との見方も寄せた。

米3月マークイット製造業PMI・確報値は55.7となり、市場予想および速報値の55.3を上回った。2月の53.9からも改善。2月に続きISM製造業景況指数と明暗を分けており、内訳をみても生産をはじめ新規受注、雇用すべて上向いている。特に入荷時間は、西海岸の港湾労働者ストライキ終了を背景に大幅な上昇を示した。

マークイットのシニアエコノミスト、ティム・ムーア氏は結果を受けて「2015年の鈍いスタートを経て、明らかにモメンタムを取り戻している」と評価。4−6月にかけ「生産動向は改善していき、原材料価格の下落が雇用をサポートしている」と楽観的な見方を示す。ただし「ドル高が新規輸出受注の伸びを抑えており、エネルギー関連支出は弱含みがみられた」と懸念材料も付け加えた。

米2月建設支出は前月比0.1%減となり、市場予想に並んだ。前月の1.7%減(1.1%減から下方修正)に続き、2ヵ月連続で減少している。住宅が0.1%減と3ヵ月ぶりに減少した一方で、非住宅も0.1%減と前月の2.8%増に続きマイナスに落ち込んだ。

民間は0.2%増と、6ヵ月ぶりに減少した前月の1.1%減から反転した。非住宅が0.5%増と足元で初めて減少に転じた前月の2.4%減から増加に転じている。ただし、住宅が0.2%減と3ヵ月ぶりに減少し全体の伸びを抑えた。公共は0.8%減と、前月の3.2%減を含め2ヵ月連続で減少。住宅が3.4%増と4ヵ月連続で増加した半面、非住宅は0.8%減と前月の3.3%減と合わせマイナスをたどった。

バークレイズのマイケル・ゲイピン米エコノミストは、米2月個人消費・所得の結果と併せ「大寒波の影響が公共や民間の非住宅投資を中心に及んだとみられ、米1−3月期国内総生産(GDP)予想を1.0%増で維持する」とまとめた。もっとも、春の到来を受けて天候のマイナス要因がはく落するため、4−6月以降の改善を見込む。

——ドル高と原油安が尾を引き製造業センチメントは低迷を続け、米2月建設支出も大寒波の余波で弱含みをみせました。肝心なのは、4月以降のデータ。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票メンバーであるアトランタ連銀のロックハート総裁は1日に利上げ開始が「6月から9月となる公算が大きい」と発言しており、ひとまず4月の数字に対する見極めが必要になってきます。

(カバー写真:Daniel Foster/Flickr)

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