June Dallas Fed Manufacturing Index Still Contracting.
米6月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス7.0となり、市場予想のマイナス13.5より下げ幅を縮めた。前月のマイナス20.8からも改善しつつ、テキサス州など石油生産地を含むダラス連銀の製造業マインドは6ヵ月連続で分岐点割れを維持している。内訳は、以下の通り。
新規受注 マイナス10.3、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月は14.1
生産 マイナス6.5、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス13.5
出荷 マイナス8.8、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス13.2
稼働率 マイナス6.1、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス11.6
設備投資 1.6、3ヵ月連続で分岐点乗せも最小の伸び<前月は3.4
雇用 マイナス1.2、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス8.2
賃金 16.4、分岐点乗せを維持>前月は14.7
平均労働時間 マイナス10.7、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス11.6
仕入れ価格 7.4、6ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス1.7
販売価格 マイナス1.9、7ヵ月ぶりの分岐点乗せに接近>前月はマイナス8.7
6ヵ月見通しはマイナス7.0となり、ヘッドラインと同じく前月のマイナス20.8から改善した。6ヵ月連続で分岐点割れながら、原材料の在庫や最終財の在庫が大幅上昇したほか、雇用や賃金、設備投資が上昇。ただし生産をはじめ稼働率、新規受注、出荷は全て前月を下回った。
——今回の結果を踏まえ、各連銀が発表した6月製造業景況指数の星取り表を見てみましょう。
・NY連銀製造業景況指数=×
→マイナス1.98となり、市場予想の5.90を下回った。5月の3.09以下に終わっただけでなく、2014年12月以来(マイナス3.58)の落ち込みを示す。
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数=○
→15.2となり、市場予想の8.0を大きく上回った。前月の6.7も軽々と超え、2014年12月以来の高水準を遂げている。
・リッチモンド連銀製造業景況指数=○
→6となり、前月の1から改善した。4月のマイナス3、3月のマイナス8、2月のゼロを経て、2ヵ月連続で分岐点乗せ。5ヵ月ぶりの高水準に並んだ。
・カンザスシティ連銀製造業景況指数=×
→マイナス9となり、前月のマイナス13から下げ幅を縮小した。とはいえ、4ヵ月連続で分岐点割れを示す。
以上の結果にダラス連銀製造業景況指数を合わせると、2勝3敗で負け越しに終わります。ここに米6月マークイット製造業PMIを加えれば、米6月ISM製造業景況指数が大きく上昇するとは想定しづらい。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想平均は53.2と前月の52.8を上回っていますが、短期的にはギリシャ問題に加えユーロ安・ドル高、中国の失速もあって製造業センチメントは逆風にさらされかねません。
(カバー写真:Mexico Institute)
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