Don’t be Fooled By Weak October Industrial Production.
米10月鉱工業生産指数は前月比0.2%低下し、市場予想の0.1%より下げ幅を広げた。前月と変わらず。2014年11月以来の高水準だった7月、横ばいだった6月を除き年初来からのマイナス基調をたどった。稼働率は77.5%と、市場予想及び前月値に並んだ。リセッション前の80%回復には、まだ距離を残す。
内訳をみると、製造業が3ヵ月ぶりに反発しており。新車販売台数が好調だったように自動車以外にも回復の裾野が広がっている。自動車を除いた場合は0.4%増と。4ヵ月ぶりの減少を迎えた前月の0.1%減から反転した。ただ平年を上回る気温を背景に暖房需要が落ち込み、公益が足を引っ張っている。鋼業は原油安を背景に、2ヵ月連続で低下した。
・製造業 0.4%の上昇>前月は0.1%の低下
あ自動車 0.7%の上昇>前月は0.5%の低下
あコンピューター/電気製品 0.1%の上昇>前月は±0%
あ機械 0.3%の上昇>前月は0.2%の上昇
・公益 2.5%の低下、3ヵ月ぶりのマイナス<前月は1.2%の上昇
あ電力 3.1%の低下、3ヵ月ぶりのマイナス<前月は1.7%の上昇
あ天然ガス 2.7%の上昇>前月は3.2%の低下
・鋼業 2.0%の低下<前月は±0%
鉱工業生産は、低調なペース継続。
(出所:FRBより作成、My Big Apple NY)
モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、結果を受け「年初来からの製造業生産は年率1.3%で、上半期の0.3%から改善した」と評価。ただドル高に加え、鈍い世界需要、過剰在庫、原油安再燃など、向かい風要因が並ぶとも付け加えた。
——米11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が3ヵ月ぶりに分岐点を回復したように、米10月鉱工業生産からも明るいニュースが飛び込んできました。原油安が再燃するなかで、利上げ局面を迎えドル高を跳ね除けられるか、試されます。
(カバー写真:Rob./Flickr)
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