Industrial Production Falls More Than Forecast.
米8月鉱工業生産と米7月企業在庫をおさらいしていきます。
米8月鉱工業生産指数は前月比0.4%低下し、市場予想の0.2%の低下より下げ幅を広げた。2014年11月以来の高水準だった前月の0.6%の上昇(0.7%から下方修正)から反転、3ヵ月ぶりに低下している。稼働率は75.5%と、市場予想の75.7%以下に。2015年10月以来の力強さを示した前月の75.9%にも届かず。リセッション前の80%は依然として遠い。
内訳をみると、製造業(全体の78.47%)が前月からマイナスに反転した。米8月新車販売台数が1700万台の大台を割り込んだ一方、自動車は下げ幅を縮小させた。自動車を除いた製造業は0.5%の低下を示す。機械の落ち込みが激しく、コンピューター・電子機器は上昇した。公益(全体の10.76%)は3ヵ月ぶりに低下した。鉱業(全体の10.76%)は、原油先物が40ドル台で安定推移するなか、2ヵ月連続で上昇した。
・製造業 0.4%の低下<前月は0.4%の上昇、6ヵ月平均は0.1%の低下
あ自動車 0.5%の上昇<前月は1.0%の上昇、6ヵ月平均は0.4%の上昇
あコンピューター/電気製品 1.0%の上昇>前月は0.3%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇
あ機械 1.9%の低下<前月は1.2%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の上昇
・公益 1.4%の低下<前月は2.1%の上昇、6ヵ月平均は0.9%の上昇
あ電力 1.6%の低下<前月は2.4%の上昇、6ヵ月平均は0.8%の上昇
あ天然ガス 0.4%の上昇>前月は1.0%の低下、6ヵ月平均は2.2%の上昇
・鉱業 1.0%の上昇>前月は0.2%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の低下
鉱工業生産、前年比は12ヵ月連続で低下も下げ幅は縮小。
▽米7月企業在庫、横ばいにとどまり在庫投資の回復示さず
米7月企業在庫は±0%となり、市場予想の0.1%の上昇に届かなかった。前月の0.2%増以下に終わり、増加トレンドを4ヵ月で止めた。内訳をみると、小売が0.3%減と前月の0.4%増を下回り3ヵ月ぶりに減少。卸売は前月の0.3%増から、今回は±0%にとどまった。製造業のみ0.1%増と、前月の±0%から改善した。
企業売上高は前月比0.2%減と、前月の1.0%増を下回り5ヵ月ぶりに減少に転じた。在庫相当は在庫が横ばいだったものの売上が減少したため、前月に続き1.39ヵ月と直近で最短だった。
――アトランタ連銀は米8月鉱工業生産や米8月小売売上高など一連の米指標を受け、20日に米7~9月期GDP予測値を従来の3.0%増から2.9%増へ下方修正しました。8月5日時点の3.8%増から大幅に下方修正し、予測開始以来で最低にとどまります。個人消費が振るわず、企業の設備投資の改善も力強さを欠くなかでは3%成長は見込みづらいという実態を浮き彫りとさせました。
(カバー写真:daveynin/Flickr)
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