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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ、興行成績も何もかも掟破り

by • February 15, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off25017

‘Fifty Shades Of Grey’ Spanks $81.7 Millions On Valentine’s Day Weekend.

前週末、アメリカではバレンタイン・デーを挟んだ週末ということで映画館に女性陣やカップルが群がったといいます。ニューヨークの最低気温は余裕でマイナスだったものの、詰めかけた人々の熱気でムンムンしていたのではないかと。なぜなら・・・話題作”フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ”が封切りされたから!

”フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ”といえば、女性作家E・L・ジェイムズ氏による官能小説。2011年6月に刊行されてから3部作は全世界で1億部相当を売り上げ、52カ国語に翻訳されたモンスター・ヒット作品でございます。ハリー・ポッター・シリーズを凌ぐ人気だといいますから、そのフィーバーぶりが伺えますね。ストーリーはというと・・。

恋愛経験ゼロでヴァージンの女子大生アナスタシアは、学内新聞記者の友人の代わりに取材に出向き、多国籍企業の若きオーナー、クリスチャン・グレイに出会う。類い稀なる美貌に冷徹な頭脳を併せもち、そこはかとなく影を覗かせるクリスチャンと清らかで愛らしいアナが恋に落ちるのに、時間はかからなかった。クリスチャンは「僕に服従を誓うのであれば、君にこの身を全て捧げる」と禁断の契約関係を提案し、受け入れたアナは倒錯的な官能に溺れていく。そしてクリスチャンは、アナの内側に潜む女神のごとき輝きに導かれ自らの闇から解き放たれるのだ。

アナ役は、映画”ワーキング・ガール”が懐かしいメラニー・グリフィスとドン・ジョンソンの娘ダコタ・ジョンソン。クリスチャン・グレイ役はモデル出身でイギリス人のジェイミー・ドーナン。キーラ・ナイトレイとも浮き名を流したとされる色男ですが、今は既婚者です。

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(出所:Cinematografo)

ざっくり言うと、キスの効能なんて考える暇もないほどド直球にエロティックであり、夜メロ色全開な内容です。まるで”トワイライト”シリーズみたいだなぁと思ったら、この作品って”トワイライト”のファンサイトで産声を上げ、後に個別に立ち上げたウェブサイトで場所を移し連載されていたんですね。ちなみに我が家は13日の金曜日にシングル向けにプレ・バレンタイン・ディナーを開催したのですが、1人の女性は「女友達とこの映画でバレンタインを祝うの!」と頬を上気させてましたっけ。

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ=fifty shade of greyとは、すなわち50の色調をもつグレイあるいは白と黒の混ざった50の部分という意味で、アナの相手のクリスチャン・グレイがいかに万華鏡のような人物かを暗示しています。こう聞くと文学チックですが、著作”悪魔の詩”で知られるサルマン・ラシュディをして「”トワイライト”が”戦争と平和”にみえる」と辛口コメントを残すほど、評価は格段に低い。映画自体も、IMDBで10点満点中3.9点ですから、”トワイライト”の5.2点や4.9点にも劣るんですね。

そんな不評を吹き飛ばし、週末の興行収入は8170万ドル!バレンタイン・デー週としては過去最高を叩き出し、2月としては2004年公開のイエス・キリストの受難を描いた問題作”パッション”以来の快挙を遂げました。北米での客層は女性が68%と、ほぼ7割にのぼります。あらためて、”セックスは売れる=Sex Sells”を体現したと言えるでしょう。2月=Februaryとは、ラテン語で”罪滅ぼしの月”を意味すると言われますが、映画興行成績では奇しくも”クリスチャン”がワン・ツー・トップを飾ることになりました。

(カバー写真:OPI)

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