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モルガン・スタンレーQ2、トレーディング部門と中国が支え

by • July 20, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2144

Morgan Stanley Earnings Top Estimates Buoyed By Trading Revenue.

モルガン・スタンレーが発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比4.8%減の18億700万ドルだった。金融危機以来で最高を達成した1−3月期の23億9400万ドルからは減少。前年同期は税制上の恩恵で6億900万ドル、1株当たり0.31ドル押し上げられていた。希薄後の1株当たり利益は0.85ドル。減税分と会計上の調整を除いた場合は0.79ドルと、市場予想の0.74ドルより強い。収入は13.2%増の97億4300万ドル、会計上の調整済みベースで12.2%増の95億6100万ドルで市場予想の91億ドルを上回った。

▽トレーディング
収入は前年同期比32%増の35億400万ドルだった一方、1−3月期の40億8300万ドルを下回った。競合のトレーディング収入は、以下の通り。

JPモルガン 9%減の45億700万ドル
シティグループ 0.6%減の37億1500万ドル
バンク・オブ・アメリカ 2.4%減の33億2500万ドル

ゴールドマン・サックス 11.6%減の23億9100万ドル

債券・商品・為替(FICC)は前年同期比29.7%増の13億7700万ドル。1−3月期の20億300万ドルからは、大幅に縮小した。金利商品と為替がけん引し、クレジット商品や商品先物の減収分を相殺した。競合のFICCトレーディング収入は、以下の通り。

JPモルガン 15%減の35億ドル
シティグループ 1%減の30億6200万ドル
バンク・オブ・アメリカ 9.3%減の21億4600万ドル
ゴールドマン・サックス 27.8%減の16億300万ドル

株式は前年同期比28.3%増の23億4200万ドル。1−3月期の22億9300万ドルからも増加した。競合の株式トレーディング収入は、以下の通り。

JPモルガン 10%減の12億ドル
バンク・オブ・アメリカ 13.1%増の11億7900万ドル
ゴールドマン・サックス 株式は62.9%増の7億8700万ドル
シティグループ 1%減の6億5300万ドル

▽投資銀行部門
収入は前年同期比0.6%増の14億4000万ドルで、1−3月期の11億7300万ドルからも増加した。債券引き受け業務が0.6%増の5億2800万ドルと、好ましい市場環境を追い風に1−3月期の3億9500万ドルを大きく上回る。株式引き受け業務は横ばいの4億8900万ドルながら、こちらも1−3月期の3億700万ドルを超えた。助言業務は、引き続き活発な合併・買収(M&A)の動きを背景に1.2%増の4億2300万ドル。1−3月期の4億7100万ドルには届かなかった。

▽資産運用部門
収入は前年同期比4.7%増の38億7500万ドルとなり、1−3月期の38億3400万ドルからも増加した。税引き前の利益率は23%と、1−3月期の22%および前年同期の21%を上回り、同行の2015年末までの目標レンジ22−25%のレンジに届いた。顧客資産は2%増の2.03兆ドルながら、1−3月期の2.05兆ドルを下回った。

株主資本利益率(ROE)は減税分と会計上の調整を除いた場合で9.1%と、1−3月期の13.5%および前年同期の10.7%に届かず。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)が目標として掲げる10%にも至っていない。賃金を除く非金利費用は、1%増の26億1100万ドル。規模の拡大とともに、コンサルティング費用をはじめとする専門サービス向けの負担が広がったという。1−3月期の25億2800万ドルからも増加した。賃金も前年同期比5%増の44億500万ドル。もっとも収入が増加したため、収入に占める福利厚生を含めた賃金の割合は45.6%と、1−3月期の45.7%および2014年10−12月期の48.8%以下にとどまる。全体の費用は5%増の70億200万ドルで、1−3月期の66億8000万ドルを上回った。中核的自己資本(コアTier1)比率は15.7%と、1−3月期の14.7%および前年同期の15.4%を超えた。

ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は、決算資料で「顧客に重点を置いた絵癖キューション、規律正しいコスト計上、信頼に足るリスク管理事業を通じ広範囲にわたり力強いパフォーマンスを遂げた」と評価した。

ルース・ポラット氏のグーグル移籍に伴い最高財務責任者(CFO)に就任したジョナサン・プルーザン氏は、カンファレンス・コールで「中国での活発な取引が欧州のボリューム減少を補った」と説明しています。

——FICCのトレーディング部門では他競合が軒並み減収だったものの、MSは2桁増を遂げました。おかげで、全体の収入も2桁増を達成。バンク・オブ・アメリカの1.8%増をはじめJPモルガンをはじめGS、シティグループの減収と比べ、明るいニュースを運んで来たと言える。ただゴーマンCEOはカンファレンス・コールにて「堅調な内容で、驚くほど好調という訳でもない」と慎重な見解を寄せていました。株価はCEOの発言やプルーザンCFOのコメントのほか、コスト増加を背景に時間外取引での3%近い上昇から伸びを縮小、一時はほぼ横ばいに転じました。

(カバー写真:socialware

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