Yellen, vice chair of the Board of Governors of the U.S. Federal Reserve System, speaks to attendee prior to addressing University of California Berkeley Haas School of Business in Berkeley

FOMCメンバー、年明け株安の二の舞回避に奔走?

by • October 8, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2194

Does The Fed Aim To Avoid The Repeat Of January Stock Market Turmoil?

9月16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、思いがけずドル高・世界景気の鈍化に配慮したようにみえます。なぜか。

時計の針を2013年12月に戻せば、答えがみえてきます。

2013年12月17−18日開催のFOMCでテーパリングを決定した後、株価は糸が切れた凧のように上昇気流に乗っていきました。しかし年が明けてから一転、株価は下落へ転じます。トルコ、アルゼンチンなど経常赤字国のエマージング通貨安・株安が火を吹き、米株にも飛び火していましたよね。

翻って現在、Fedは10月28−29日のFOMCで量的緩和(QE)を終了させるロードマップを提示済み。出口戦略の概略も合わせて公表しており、マーケット関係者の注目も第1弾の利上げを予想する上で、いつ「相当な期間(considerable time)」の低金利、「大いなる労働資源の活用不足(significant underutilization)」を変更・削除してくるかに焦点が移っています。

同時に、ドル高が加速。エマージング国から資金流出が考えられるほか、株式相場も下振れする「ドル高タントラム」が連想される展開になってきました。

そう、足元の動向は今年の1月時点と非常に似通っています。FOMC参加者の脳裏に、QE1とQE2の幕引きを経て米株相場が10−15%も下落したことが浮かんできてもおかしくはありません。シカゴ連銀のエバンス総裁が8日に「『大いなる労働資源の活用不足』は未だ存在しており、利上げに忍耐強くなれる」と述べ、NY連銀のダドリー総裁にいたっては7日に同様の見解を示しただけでなく「ドル高と世界景気の鈍化はインフレを圧力を減退させる」と発言したのも、頷けますよね。ダドリー総裁はまた2015年半ばの利上げ予想は「適切」と語った一方で、経済活動次第では「先送り」の可能性に言及することも忘れませんでした。

もうひとつ、Fedのドル高警戒は今年1月FOMCでの失敗から学んだ証とも考えられます。当時、マーケットは金融市場の混乱に無頓着なFedとの印象を与え、米株相場のさらなる下落を招いていました。また中間選挙を控え、オバマ政権の「強いドル」容認姿勢とバランスを取る必要もあったのでしょう。

ダウ平均のチャートに下落サインが点灯しつつあるだけに、ハト派寄りのメンバーが金融市場の混乱と景気鈍化に備え隊列を整えるのも頷けます。

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(出所:Stockcharts)

ひとまず、下落局面ではサポートとなる200日移動平均がカギになるでしょう。その後は、8月7日のザラ場安値16333.78ドル、そして2月5日の15340.69ドル付近が意識されます

(カバー写真:Reuters)

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