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ダウは年初来で最大の下げ幅、FOMC議事録後の上昇を相殺

by • October 9, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2602

Dow suffers Worst Slide of 2014, Erasing Yesterday’s Gain.

本日、ダウ平均は年初来で過去最大の下げ幅を演じました。S&P500とナスダックも合わせ、前日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けた上昇を完全に相殺したので、久々に概況をお届けいたします。

ダウ平均  16659.25 −334.97 −1.97%
S&P500  1928.21 −40.68 −2.07%
ナスダック 4378.34 −90.26 −2.02%

ダウ平均の出来高 9320万枚  前日 1億690万枚  10日移動平均  8520万枚

ダウ平均は大幅反落。序盤から約100ドル安の16900ドル台を示し、以降は下値を探る展開に突入した。米新規失業保険申請件数が4週連続で30万件を割り込んだほか、米8月卸売在庫が予想を上回り米7−9月期国内総生産(GDP)見通しを上方修正させる内容だったものの、完全に無視した格好。前日の上昇を手掛かりに決算前の利益確定の売りが畳み掛けられるなか、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が構造改革なくして景気回復なしと発言し量的緩和(QE)早期実施への期待に冷や水を掛け、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長も金融安定をめぐり複数の懸念事項があると述べ、売り圧力を加えた。

中央銀行からだけでなくマーケットの重鎮からも悲観的なコメントが相次ぎ、相場を圧迫。著名な投資家のカール・アイカーン氏が「確実に調整がやって来る」と警告を発し、ジャナス・キャピタルに移籍したビル・グロス氏まで世界景気の鈍化を指摘すると、中盤過ぎには前日安値を抜け280ドル安の16660ドル付近でのもみ合いを経て一段安を迎えた。終盤には一時345.18ドル安の16649.04ドルと8月15日以来の安値を示し、そのままほぼ安値引けしている。前日の上昇幅を完全に打ち消し、終値ベースでは8月13日以来の安値。300ドル安は4回目を数えつつ、年初来での下げ幅は本日が最大となった。S&P500とナスダックも大幅反落。S&P500は8月7日以来、ナスダックは8月8日以来の安値で取引を終え前日の上げ幅を完全に相殺した。

ダウ平均のチャート、いつ200日移動平均線を切ってもおかしくない状態。

chart
(出所:Stockcharts)

話は変わりますが、マーケットに激震を走らせたビル・グロス氏のPIMCOからジャナス・キャピタルへの移籍。創立者および最高投資責任者(CIO)だったグロス氏が退職した9月26日に、運用資産2220億ドル(23兆9760億円)を誇る旗艦ファンド「PIMCO トータルリターン ファンド」は過去最大の資金流出を記録してしまいました。結局、9月は運用資産の約10%に相当する235億ドル(2兆5380億円)もの資金流出を確認しています。ところが、グロス氏の新天地ジャナス・キャピタルへの資金流入は9月に6億6400万ドル(717億1200万円)程度に過ぎませんでした。

漁夫の利で高笑いしたのは、新債券王の誉れが高いジェフリ・ガンドラック氏率いるダブルライン・キャピタル。「ダブルライン トータル ファンド」には18億ドルも流入しています。他に、「JPモルガン コアボンド ファンド」にも8億4600万ドルの資金が引きつけました。

老将が古巣を去った後、債券ファンドは「ニュー・ノーマル」の時代ならぬ戦国時代に突入したかのようです。

(カバー写真:Greenwich Time)

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