Tiffany Cuts Full-year Profit Forecast As Holiday Sales Disappoint.
高級宝飾品小売2位、ティファニーは寄り付き早々から10%超の大幅安を示現しています。
ホリデー商戦を挟む2014年11-12月世界売上高が、前年同期比1%減の10億2000万ドルだったためです。2013年同期の4%増から減少に転じてました。世界全体の既存店売上高も、4%減と前年同期の2%増からマイナスに反転。アジア太平洋以外で、軒並み前年同期から失速しています。以下は、売上・既存店売上高の地域別動向。
▽米州
売上高が1%減の5億4400万ドル<前年同期は6%増
既存店売上高も2%減<前年同期は7%増
▽日本
円安を背景に16%減の1億1300万ドル<前年同期は12%減
既存店売上高も20%減<前年同期は11%減
▽アジア太平洋
7%増の2億1000万ドル>2013年同期の5%増
既存店売上高は3%増>前年同期は3%減
▽欧州
1%増の1億3300万ドル<前年同期は11%増
既存店売上高は3%減<前年同期は6%増
▽その他
14%増の2400万ドル<前年同期は22%増
既存店売上高は6%減<前年同期は16%増
ホリデー商戦の売上高減少に合わせ、2014年度(2015年1 月末終了)の1株当たり利益見通しを4.15-4.20ドルとし、従来予想の4.20-4.30ドルから引き下げています。市場予想の4.31ドルを大きく下回りました。同社は、11−1月期および2014年度の決算を3月20日に発表する予定です。
2014年のクリスマス商戦、ウィンドウはキュートな仕上がりでしたが・・。
(出所:My Big Apple NY)
マイケル・コワルスキ最高経営責任者(CEO)は、資料にて「明らかに失望を誘う結果で、地域とカテゴリー別で大いにばらつきがみられる」と指摘。地域では、「力強かった年初に反しアジア太平洋と米国で減少した」と振り返りました。カテゴリー別では「『ティファニーT』が好調だったものの、売上モメンタム全体を意引き上げるに至らなかった」としています。今年4月からCEOに就任するフレデリック・キュメナル社長は、ホリデー商戦と見通しに対し「主要通貨に対するドル高の逆風」を挙げました。その上で、2015年度の利益・売上高の伸びが「1−5%増」にとどまると予想。ホリデー商戦への期待を膨らませた2014年8—10月期決算とは、打って変わって慎重なスタンスへ変化させています。
——5thアベニュー本店のクリスマス・イルミネーションがきらびやかだったティファニー、残念ながらホリデー商戦の結果は輝きを失ってしまいました。アジア太平洋は香港での民主化デモが2014年12月に沈静化し全体を押し上げた半面、主力の米国は米7−9月期国内総生産(GDP)が5%増もの高い伸びを遂げガソリン価格が下落をたどったにも関わらず減少する体たらく。日本も為替変動を除くベースですら3%減と、消費税増税がボディブローのように利いて浮揚の兆しをみせていません。LVMHをはじめ、高級小売セクターにも本格的な消費減速の並みが押し寄せてきた可能性を点灯させております。
売上に弱含みトーンがみられるなか、ティファニーは創業178年で初めて広告ポスターに同性カップルをフィーチャーさせました。”Will You?”と題した新たなキャンペーンでは、著名ファッション・フォトグラファーのピーター・リンドバーグ氏が捉えた7バージョンのカップルを使用。
そのうちの1枚がアパートの階段に座って和む白人男性の2人なんですね。
ティファニー広報いわく、モデルではなく結婚を控えた実際のパートナー同士なんだとか。売上テコ入れにつながるか、注目されます。
(カバー写真:J J/Flickr)
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