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ドル高・原油安・利上げ警戒で、米株は3指数そろって安値引け

by • March 10, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2166

Terrible Tuesday : U.S. Stock Market Has The Worst Day of 2015.

3月10日は、ナスダックが終値で史上高値5048.62pを達成した15周年記念日です。残念ながらこの日、米株相場は大幅反落。1)ドル高、2)原油安、3)利上げ警戒——が嫌気され、ダウ平均をはじめS&P500、ナスダックと3指数そろって安値引けしました。終値ベースでダウ平均は2月2日以来、S&P500は2月4日以来、ナスダックは2月12日以来の水準へ沈んでいます。おかげでダウ平均の下げ幅は2014年10月9日以来で最大を記録し、S&P500と歩調を合わせ年初リターンはマイナスへ反転。年初来リターンでプラスを保つのは、ナスダックのみです。

ダウ平均、50日移動平均線割れで引け。

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S&P500も、ダウ平均と同じくサポートを抜けてきました。

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ナスダック、15周年記念日は大きく窓を開けて急落。
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(出所すべて:Stockcharts)

利上げ警戒もさることながら、ドル高は大いに懸念材料。ドル実効相場が唸りを上げ2003年9月以来の高水準へ突き進むなか、ユーロドルは一時1.07ドルを割り込み2003年以来の安値に突っ込みました。メキシコ・ペソは、対ドルでデノミを実施した1993年以来の安値を更新中。ブラジル・レアルも過去6ヵ月間に対ドルで25%以上も下落し、2004年以来の1ドル=3レアルの節目を突破する有様です。南アフリカ・ランドは対ドルで約13年ぶりの安値を示現し、2014年1月に通貨安の台風の目となったトルコ・リラも過去最安値をマークしてきました。ドル円はリスク・オフがドル高を阻み121円台付近での推移にとどまるものの、ユーロのほかエマージング通貨では阿鼻叫喚の様相を呈しています。米大統領経済諮問委員会(CEA)のファーマン委員長が本日になって、ドル高は「米経済に対する向かい風になる」との見解を示すはずですね。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に加え米2月雇用統計が決め手となり、3月17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「(利上げに)忍耐強くなれる」の文言削除が濃厚となり、米株相場の風向きが一変したのは間違いありません。まだ7営業日しか経過していないとはいえダウ平均、S&P500、ナスダックはそろって、3月に入って2日続伸していないんです。特にS&P500は議会証言以前の2月17日以来、続伸記録はゼロ。ナスダックが2月24日までに10連騰したことと、対照的です。

米株相場の運命は、来週17−18日開催のFOMCが握る状況。では、Fedは本当に「忍耐強くなれる」との文言を削除してくるのでしょうか?確かに米2月雇用統計こそ絶好調だったものの、消費をはじめ製造業センチメント住宅指標など経済指標は景気減速の兆しを見せています。9日に米連邦準備制度理事会 (FRB)が発表した2月労働市場情勢指数(LMCI)も4.0ポイントと、上昇ペースは鈍化。適正な水準へ戻るまで、さらに時間が掛かること示唆していました。仮にFedがLMCIをはじめとした他の経済指標に目を向ければ、文言据え置きの可能性も捨てきれない。そうなればドル高にブレーキが掛かり、原油一段安を回避し、米株相場が下げ止まる場合もありえます。

(カバー写真:AP)

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