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6月利上げ警戒後退、アナ雪効果もあってダウは260ドル高

by • March 12, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1957

U.S. Stock Market Turns Positive For Year As June Rate-Hike Fears Subside.

12日の米株相場は、大幅に3日ぶり反発を遂げました。ダウ平均とS&P500は50日移動平均線を超えて取引を終えただけでなく、年初来リターンもプラス圏を回復しています。

こちらで指摘させて頂いたように、米2月小売売上高をはじめ一連の経済指標が弱含みが買い戻しを演出しました。17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強くなれる」の文言削除を先送りし、6月利上げ観測の火消しに動くとの期待が浮上。”利上げ警戒・ドル高・金利上昇・原油安”という負の連鎖のうちドルと金利の上昇も一服したため、怒濤の反発を招いています。

S&P500、50日移動平均線を上抜けして引け。
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(出所:Stockcharts)

破滅博士(Dr. Doom)の異名を持つマーク・ファーバー氏まで本日、CNBCに出演し「米株のブルーチップこそ、不測の事態での投資先」と発言しており、米株買い戻しを煽っていました。

その他、本日は好材料も米株の追い風となりました。

まずは、ディズニー。全世界で約13億ドルを稼ぎ上げたモンスター・ヒット映画、「アナと雪の女王」の続編制作を11日開催の株主総会で発表しました。公開日と制作に関する詳細こそ明らかにしていませんが、ニュースに反応し株価は4.1%も急伸して取引を終えています。

金融株も、軒並み上昇しました。米連邦準備制度理事会(FRB)が国内・海外を含む31銀行のうち29行に対し11日、株主還元策を承認したためです。承認されなかった銀行はドイツ銀行、サンタンデール銀行のみ。結果を受け、シティグループは3.3%高、JPモルガンは1.9%高と金融株が軒並み買われ、モルガン・スタンレーにいたっては6.1%高を遂げました。

なおFRBの資料を元にブルームバーグが伝えたところ、シティグループとウェルズ・ファーゴ、他の23行の承認に際して条件を付けなかったといいます。バンク・オブ・アメリカは、内部プロセス強化という条件付きで承認を獲得。ゴールドマン・サックスをはじめJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーは資本計画の提案を修正後に受け入れられました。

一連のニュースは、インテルの悪材料を完全に打ち消しています。半導体最大手は、1−3月(第1四半期)の売上高が128億ドルの上下3億ドルとなる見通しを示していました。従来の137億ドル上下5億ドルから、下方修正。法人向けパソコン需要が予想を下回るほか、欧州の景気減速が重しになると説明しています。ダウ平均構成銘柄のインテルは、4.7%も沈みました。

6月利上げ警戒後退と個別材料を背景に、息を吹き返した米株相場。今後も切り返し続けるかどうかは、イエレンFRB議長をはじめとしたFOMCメンバーの双肩に掛かっています。

(カバー写真:geordietyke/Flickr)

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