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米3月NY連銀製造業景況指数と米2月鉱工業生産、ドル高響き予想以下

by • March 16, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2041

Strong Dollar Keeps Affecting Manufacturing Data.

米3月NY連銀製造業景況指数は6.90となり、市場予想の7.00を下回った。前月の7.78にも届かなかったものの、3ヵ月連続で分岐点をキープ。2014年12月に示現した分岐点割れ(マイナス1.23)は免れている。内訳をみると、新規受注がマイナス2.39と、2014年10月以来の分岐点割れを示現。出荷も7.93と、前月の14.12から急低下し3ヵ月ぶりの低水準だった。西海岸の港湾労働者ストライキ収束後も貨物処理が進まず在庫はマイナス5.15と3ヵ月連続で分岐点割れを維持したほか、入荷時間もマイナス2.06とあらためてゼロ以下の水準へ落ち込んだ。仕入れ価格は12.37と、4ヵ月ぶりの水準へ減速している。一方で、雇用は18.56と足元で最高を達成。平均労働時間も5.15と、5ヵ月ぶりに分岐点を回復した。

6ヵ月先見通し指数は30.72と、直近最低だった前月の25.58を上回った。もっとも、6ヵ月平均の38.87以下を維持した。原油安一服を受けて仕入れ価格をはじめ、西海岸の港湾労働者スト終了を背景に入荷時間、在庫、受注残がそれぞれ上向いている。雇用や平均労働時間も、前月から上昇。半面、新規受注や出荷は、ドル高を嫌気したのか前月以下にとどまった。設備投資も、2月分の伸びをほぼ相殺した。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業景況指数換算では、前月から0.8ポイント低下し51.7となる」と分析。分岐点を上回る水準を保ったとはいえ、「見通し指数は改善しながら足元のトレンド以下を続けており企業の設備投資の減速を示唆する」とまとめた。

米2月鉱工業生産指数は前月比0.1%の上昇とながら、市場予想の0.2%に届かなかった。前月に0.3%低下(0.2%の上昇から下方修正)した後、増加に転じたものの小幅にとどまる。稼働率は78.9%と、市場予想の79.5%以下に。前月の79.1%(79.4%から下方修正)を下回り、リセッション前の80%回復が再び遠のいた。

鉱工業生産、機器の場合はけん引役が防衛・航空宇宙に交代。
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(出所:FRB)

内訳をみると、今回は原油安の余波を受け鋼業が2.5%低下し前月の1.3%と合わせ2ヵ月連続で低下した。西海岸の港湾労働者ストライキが収束したものの積み上がった貨物処理が長引くなか、自動車も3.0%低下し3ヵ月連続でマイナスに。製造業全体でも0.2%低下し、3ヵ月連続でマイナスに沈んだ。機械が0.4%低下し前月の1.0%から反転。コンピューター・電子機器のみ0.2%と、3ヵ月連続で上昇している。

寒波と積雪を背景に、公益は7.3%と2ヵ月連続でプラス圏を維持。記録的な大寒波を背景に、統計を開始した1972年以来で最高をマークしている。電力が6.9%増、天然ガスも5.9%とそれぞれ2ヵ月連続で上振れした。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「公益を除いた鉱工業生産は軒並み弱含むほか、電子機器・部品は0.6%低下ししており、1−3月期の設備投資は減速の兆しがみえる」と指摘した。ただ今回の下振れは想定範囲内で、米1−3月期GDP予想を「1.5%増」で据え置いた。

——世界景気の減速をはじめドル高の衝撃に耐えかねて、製造業関連の指標は下振れを続けています。2014年3月までJPモルガンの株式ストラテジストとして鳴らしファンドストラト・グローバル・アドバイザーズを発足させた強気派のトーマス・リー氏でさえも、「ドル高は年内いっぱい、業績を押し下げかねない」と懸念を示していました。米3月NY連銀製造業景況指数で雇用の項目が強含んだものの、新規受注や生産が落ち込みをみせたほか米鉱工業生産にもダメージが現れており、じわじわと成長をむしばみつつあります。17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で、Fedは引き続きドル高を懸念しないスタンスを貫くのでしょうか。

(カバー写真:Steve Fecht/General Motors)

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