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ダウ、4月末に年初来リターンを一時相殺

by • April 30, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2037

Dow Almost Erases Gains For The Year.

4月最後の取引で、米株相場は大幅安を迎えました。

ダウ平均  17,840.52  -195.01 -1.08%
S&P500  2,085.51 -21.34 -.01%
ナスダック 4,941.42 -82.22 -1.64%

米3月個人消費支出・所得は米1−3月期国内総生産(GDP)速報値で示されたような内容にとどまったものの、その他の米経済指標が軒並み強い数字をスコアしてきました。米新規失業保険申請件数米1−3月期雇用コスト指数米4月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)などを背景に、あらためて利上げ警戒が台頭。前日引け後に流れた、緊急利上げが必要な場合に備えメディアと試験を実施したとのニュースも蒸し返されたことでしょう。

ギリシャの話題も、相場の冷や水に。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長兼オランダ財務相のダイセルブルーム氏がNY序盤にギリシャとの協議が物別れに終わった場合の「プランB」の用意は万端と明かし、すわデフォルトかとの懸念も立ち込めてしまいました。国際通貨基金(IMF)がギリシャとの協議継続の意志を明らかにし安堵感が流れたのも束の間、ダウが一目均衡表・雲の上限がある17900ドル付近で下げ渋っていたところ同水準をクリアに抜けると月末の調整売りも重なり、一段安。終盤には一時141.10ドル安の17,894.43ドルと、約1週間ぶりの水準まで沈んでしました。年初来リターンは19営業日連続でプラス圏を確保したものの、一時はマイナスに転じたものです。S&P500は続落し、約2週間ぶりの安値で引け。 ナスダックのみ4 日続落、5000pを割り込み約2週間ぶりの水準で取引を終えました。

ダウ、4月に18200ドルを回復できず失速感は否めず。

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(出所:Stockcharts)

そろそろ「5月に売り逃げろ(Sell in May and go away)」との投資格言が意識される頃ですから、ブルがいくら鼻息を荒くさせても、本日の下落はキナ臭い、不気味な点としては、これまで上昇のけん引役だったバイオテクノロジー株の失速が挙げられます。本日のナスダック・バイオテクノロジー指数は、3,498.44p(110.02p安、3.05%安)で引け。ピークをつけた4月23日の終値3,848.73pから、たった1週間で9.1%も急落する有様です。本日引け後に発表されたギリアド・サイエンシズは予想をはるかに上回る好決算とはいえ、引き続きC型肝炎治療薬への依存度は大きい。バイオジェンの決算でも、売上鈍化を確認した点も気掛かりです。

テクニカル的にも、完全に売りサインが点灯。

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(出所:Stockcharts)

大人気銘柄のアップルも、”アップル・ウォッチ”マジックがはく落してきました。そもそもモメンタム銘柄は好調である一方、輸出関連を中心にブルーチップの決算は芳しくない。ファクトセットによると、S&P500構成銘柄で4月24日までに決算を発表した201社のうち、売上が市場予想を上回ったのは47%に過ぎず、裏を返せば過半数の53%が予想以下に終わっていました。ドル高の呪縛にがんじがらめになった米企業決算を見直しFedの利上げ観測も再び前倒しされれば、新緑の季節に反し下振れする余地が残ります。

(カバー写真:AP)

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