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米5月雇用統計前、米株に「6月の失速」が襲う

by • June 4, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1921

U.S. Stock Market Hit By ‘June Swoon’ Ahead Of Jobs Report.

米5月雇用統計を控え、マーケットが崩れ「6月の失速(June swoon)」の展開を迎えてしまいました。

ダウ平均  17905.58 -170.63 -0.94%
S&P500  2095.84 -18.23  -0.86%
ナスダック 5059.13 -40.11 -0.79%

ダウ平均とS&P500は、そろって50日移動平均線を割り込んで引け。ダウ平均は一時199.32ドル安の17876.95ドルまで下落する過程で一目均衡表・雲の下限まで抜け、かろうじて終値ベースで5月7日以来の17900ドル割れを回避しています。S&P500は一目均衡表・雲の上限で下げ止まりつつ、5月13日以来の2100p割れでクローズ。ナスダックも、約1週間半ぶりの5050p割れで取引を終えました。

S&P500、ダウに続き一目均衡表の雲を割り込むか。
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(出所:Stockcharts)

S&P500の10セクター別では、全滅。ドル高に反応しやすい素材が1.29%安、石油輸出国機構(OPEC)総会を控えたエネルギーも1.24%安と、特に売りが目立っています。同じく為替動向が意識される産業財は1.14%安、足元で上昇のけん引役だったITは0.93%安と軟調。生活消費財も0.8%安と落ち込みました。

ギリシャ支援協議では、同国が国際通貨基金(IMF)に対し5日分を含め6月分の返済を月末の一括払いにまとめるよう要請したとのニュースが出てくる程度で、こう着状態に変わりなく。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が量的緩和(QE)規模拡大の梯子を外した3日の発言もあり、独債利回りも不安定で米株に影響を与えたことでしょう。

本日発表された米新規失業保険申請件数米5月チャレンジャー人員削減予定数も改善を示し、ネガティブに働いたと考えられます。米5月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の市場予想は22.0万人増のところ、強含みとなれば国際通貨基金(IMF)の要請も空しく9月利上げの可能性を残します。ちなみにJPモルガンは米5月雇用統計・NFPは22.5万人増、BNPパリバは3日時点で24.0万人増でした。

利上げに向け、肝心の成長率はどうなるのか。アトランタ連銀の試算では1.1%へ上方修正したものの、奇しくも米5月新車販売台数が約10年ぶりの高水準を遂げた2日、デルタ航空が悪材料を届けていました。 4−6月期の旅客1人当たりの収入を前年同期比4〜5%減とし、従来の2〜4%減から下方修正。5月の旅客1人当たり収入が前年同月比5.5%も落ち込んだためで、ドル高と燃料 サーチャージの低下が響き前年同期の6%増からの減少幅がさらに大きくなったといいます。有償座席利用率も85.4%と、前年同期の86.5%から低下。旅行といった裁量消費に減速の兆しがちらつき、米4−6月期国内総生産(GDP)が本当に2.5%近い回復を遂げられるか疑問が残ります。景気に遅行する労働指標が強含んでも、米株にプレッシャーを与えかねません。

(カバー写真:ART twohundred)

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