July Dallas Fed Manufacturing Index Still Contracting.
米7月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス4.6となり、前月のマイナスマイナス6.5からも改善した。とはいえ、テキサス州など石油生産地を含むダラス連銀の製造業マインドは7ヵ月連続で分岐点割れを維持している。新規受注が7ヵ月ぶりにプラス反転したほか生産や出荷などが下げ幅を縮小したものの、雇用や仕入れ価格などは弱含んだ。内訳は、以下の通り。
新規受注 0.7、7ヵ月連続ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス10.3
生産 マイナス1.9、5ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス6.5
出荷 マイナス4.3、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス8.8
稼働率 マイナス4.2、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス6.1
設備投資 1.6、4ヵ月連続で分岐点乗せ=前月は1.6
雇用 マイナス3.3、3ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス1.2
賃金 14.4、分岐点乗せを維持<前月は16.4
平均労働時間 マイナス6.3、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス10.7
仕入れ価格 0.1、2ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は7.4
販売価格 マイナス2.9、8ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス1.9
6ヵ月見通しはマイナス4.6となり、ヘッドラインと同じく前月のマイナス7.0から改善した。7ヵ月連続で分岐点割れながら、生産、稼働率、新規受注、出荷、雇用、賃金など軒並み前月から上昇している。
——今回の結果を踏まえ、各連銀が発表した7月製造業景況指数の星取り表を見てみましょう。
・NY連銀製造業景況指数=○
→3.86となり、市場予想の3.5を上回った。6月のマイナス1.98を超え、分岐点を回復。4ヵ月ぶりの高水準となる。もっとも項目別では販売価格、平均労働時間、入荷時間がけん引しており、新規受注や生産、雇用などは軒並み弱含んだ。
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数=×
→5.7となり、市場予想の12.0を大きく下回った。4ヵ月ぶりの低水準。新規受注などがそろって前月を下回っただけでなく、雇用は6ヵ月ぶりに分岐点を割り込んだ。
以上の結果にダラス連銀製造業景況指数を合わせると、市場予想ベースでは2勝1敗で勝ち越しに終わります。若干上昇した米7月マークイット製造業PMIを含めれば、3勝1敗と心強い。ただし項目別では不安を残し、米7月ISM製造業景況指数が大きく上昇するとは想定しづらい。キャタピラーやユナイテッド・テクノロジーズなどをはじめ製造業の決算で中国の下押し効果を確認しているケースもあり、製造業の見通しは視界良好と断言しづらい状況が続きます。
(カバー写真:John McStravick/Flickr)
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