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米11月中古住宅販売件数、約5年ぶりの高水準から急落

by • December 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1215

Existing Home Sales Tumbled From 5-Year High.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米11月中古住宅販売件数は年率476万件と、市場予想の535万件を下回った。2007年以来で2番目の高水準だった9月の555万件だけでなく、10月の532万件(536万件から下方修正)から10.5%も急減。2014年4月以来の水準へ沈んだ。前年比では3.8%減と、前月の3.9%増(速報値ベース)を下回り、14ヵ月ぶりにマイナスへ転落している。

内訳をみると、一戸建てが前月比12.1%減の415万件と2007年以来で2番目の高水準だった9月493万件はもちろん10月の472万件からも大きく落ち込んだ。複合住宅は逆に1.7%増の61万件と、前月の3.2%減から切り返した。

4大地域別では、前月比で全て減少。前月は1地域のみ横ばいにとどまっていた。今回は中西部が15.4%減の110万件と2ヵ月連続で足を引っ張った。西部も13.9%減の99万件と、前月に続き弱い。南部は6.2%減の198万件と、こちらも2ヵ月連続で減少。北東部は9.2%減の69万件と、前月の横ばいから減少に転じた。

在庫件数は、前月比3.3%減の204万件と4ヵ月連続で減少した。在庫件数が減少したとはいえ販売件数の落ち込みが激しかったため、在庫相当は5.1ヵ月と前月の4.8ヵ月から延びた。中央価格は前年比で6.3%上昇の22.03万ドル。前月比では0.5%上昇し5ヵ月ぶりに上向いた。売り出し平均期間は54日。直近で最長だった10月の57日から短期化した。前年同月は、65ヵ月となる。

買い手の内訳は、以下の通り。

・差し押さえ物件 7%>前月は5%、前年同月は6%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 2%>前月は1%、前年同月は3%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 9%>前月は6%、前年同月は9%
・新規購入者 30%<前月31%で8月に次ぐ高水準、前年同月は31%
・現金での購入者 27%>前月は24%、前年同月は25%
・住居用ではなく投資向け 16%>前月は13%、前年同月は15%

米11月中古住宅販売件数、在庫ひっ迫を一因に低迷。
existinghomesales
(出所:ブルームバーグよりMy Big Apple NY)

発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「住宅ローン規制変更が主因」と分析する。また「在庫ひっ迫とそれに伴う価格押し上げ効果」が減少につながったと説明。ただ足元は「契約件数自体は安定的で、需要が冷え込んだわけではない」と結んだ。

——以前にご指摘させて頂いた通り、規制変更の反動が現れたもようです。また、価格の上昇も一因でしょう。差し押さえ物件やショートセールが全体を支えたのは、手頃な価格の物件不足を象徴するかのようです。

(カバー写真:CHRIStophe Robert HERVOUËT/Flickr)

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