Dallas Manufacturing Index Turns Negative Despite Oil Price Rebound.
米5月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス20.8となり、市場予想のマイナス8より下げ幅を拡大した。原油先物が50ドル台を回復する過程で、前月のマイナス13.9から悪化。1月に2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだ後、最悪期を脱するものの17ヵ月連続でマイナス圏をたどる。項目別では生産をはじめ稼働率、出荷が3ヵ月ぶりに分岐点割れに陥り、新規受注や設備投資も前月の回復を経て分岐点割れを示すなど、弱さが際立つ。雇用は下げ幅を拡大した。一方で賃金は直近で最高だったほか、仕入れ価格も急伸した。詳細は、以下の通り。
・生産 マイナス13.1、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は5.8と4ヵ月ぶり高水準、6ヵ月平均はマイナス1.7
・出荷 マイナス11.5、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は7.1と2014年12月以来で最高、6ヵ月平均はマイナス1.5
・稼働率 マイナス11.0、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は8.2と6ヵ月ぶりの高水準、6ヵ月平均はマイナス1.1
・新規受注 マイナス14.9、分岐点割れ<前月は6.2、6ヵ月平均はマイナス7.9
・受注伸び率 マイナス14.7、分岐点割れ継続<前月はマイナス0.7、6ヵ月平均はマイナス1.5
・設備投資 マイナス6.6、分岐点割れ<前月は1.6、6ヵ月平均はマイナス0.4
・在庫 マイナス2.5、分岐点割れ継続<前月はマイナス2.9、6ヵ月平均はマイナス7.5
・雇用 マイナス6.7、5ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス3.7、6ヵ月平均はマイナス4.2
・平均労働時間 マイナス11.8、5ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス1.0、6ヵ月平均はマイナス3.9
・賃金 21.8、直近で最高>前月は16.7、6ヵ月平均は17.0
・仕入れ価格 5.5.2015年6月以来の分岐点を回復>前月はマイナス0.2、6ヵ月平均はマイナス5.0
・販売価格 マイナス6.6、17か月連続で分岐点割れ>前月はマイナス8.2、6ヵ月平均はマイナス2.7
6ヵ月見通しはマイナス1.8と前月の0.4を下回り、3ヵ月ぶりに分岐点割れへ戻した。項目別でも、悪材料が目立つ。生産をはじめ稼働率、受注伸び率は全て10ポイント以上も急落し、新規受注や出荷も10p近い下げ幅を示した。そのほか平均労働時間や在庫は、分岐点割れ。設備投資や雇用も前月を下回る。販売価格が前月を上回る程度で、仕入れ価格も前月を小幅ながら下回った。
▽米5月シカゴPMI、3ヵ月ぶりに分岐点割れ
米5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は49.3と、市場予想の50.5を下回った。前月の50.4にも届かず、2月(47.6)に続く分岐点割れを迎えている。内訳をみると、原油先物が50ドル台を回復しつつドル高と利上げ観測の再燃を受けて、前月以下が優勢。新規受注は前月の51.0から48.8、出荷も前月の54.0から47.0とそろって分岐点を割り込んだ。雇用は前月の47.5から48.3へ改善しつつ、過去12ヵ月間で11回目の分岐点割れを示すなど、全体的に弱い。
――製造業景況指数が一通り公表されたので、星取表を確認していきましょう。
・NY連銀製造業景況指数
マイナス9.02、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は9.56
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
マイナス1.8、2ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス1.6
・リッチモンド連銀製造業景況指数
マイナス1、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は14
・カンザスシティ連銀製造業景況指数
マイナス5、15ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4
・マークイット製造業PMI
50.5、2009年9月以来の低水準<前月は50.8
以上、3月の回復が嘘のように分岐点割れあるいは分岐点割れ接近の数字が並びます。Fedが6月あるいは7月の利上げへ向けた地ならしを進めるなか再びドル高の流れが市場を包むなかで、原油先物の50ドル回復も限定的にとどまる状況。米5月ISM製造業景況指数が3ヵ月ぶりに分岐点割れへ押し返される懸念が高まります。
(カバー写真:Thomas Hawk/Flickr)
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