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米7月貿易赤字は6ヵ月ぶり低水準、輸出が過去最大

by • September 4, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1254

July Trade Deficit : Smallest In 6 Months As Exports Rose To A Record High.

米7月貿易収支は405.46億ドルの赤字となり、市場予想の424億ドルより赤字幅を縮小させた。前月の408.10億ドル(415億ドルから修正)を0.6%下回り、6ヵ月ぶり低水準となる。ウクライナ情勢緊迫化、シリアやイラクをめぐる地政学的リスクをさらされながら、世界景気改善の追い風に支えられた。

内訳をみると、輸出が前月比0.9%増(前月は横ばい)の1980.23億ドルと過去最高を達成。輸入は0.7%増(3ヵ月ぶりに減少)の2385.68億ドルだった。実質ベースのモノの赤字は481.77億ドルと、前月の489.27億ドルから1.5%減少。2013年12月以来の低水準を示す。なお2013年の貿易収支は4715億ドルと2009年以来でもっとも改善しており、2014年も貿易赤字は縮小トレンドをたどる期待が大きい。

今後は、ドル高の影響に注目。ドルは対円で105円を超え年初来最高値を更新するほか、対ユーロでも欧州中央銀行(ECB)の金融政策を受け2013年7月以来の1.30ドル割れまでユーロ安・ドル高が進んでおり、輸出競争力を削がれるか意識される。

バークレイズのディーン・マキ米主席エコノミストは、実質ベースでの7月貿易赤字縮小を受けて「米7−9月期国内総生産(GDP)予想を従来の2.5%から2.7%」へ上方修正した。米4−6月期GDPの確報値見通しは、改定値が4.2%のところ4.3%で据え置いた。

以下は、輸出および輸入の内訳と各国ごとの貿易収支動向。

貿易収支、7月は自動車の輸出・輸入がそろって増加。
cars
(出所:ehow)

輸出の内訳をみると、モノは前月比1.3%増と前月の0.1%減から増加に転じた。
(増加項目)
・自動車 12.1%増と3ヵ月連続で増加
・産業材 3.0%増と増加トレンドを維持
・資本財 0.9%増と2ヵ月連続で増加
・サービス 0.1%増と5ヵ月連続で増加
(減少項目)
・食品・飲料 5.4%減と2ヵ月連続で減少
・消費財 3.8%減と3ヵ月ぶり減少

輸入の内訳をみると、モノが0.8%増と3ヵ月ぶりに減少した。原油を除いた場合は0.4%増となり、前月の1.1%減から増加に転じた。
(増加項目)
・自動車 5.0%増と前月の3.7%減から増加に反転
・産業材 0.9%増と4ヵ月ぶりに増加
・食品・飲料 0.5%増と2ヵ月連続で増加
(減少項目)
・消費財 1.1%減と3ヵ月連続で減少
・資本財 0.7%減と2ヵ月連続で減少

国別での貿易赤字動向をみると、最も赤字が多い中国は前月比2.7%増の(前月から拡大)の308.63億ドルで過去最高を塗り替えた。日本は14.5%増(前月から拡大)の62.05億ドル。欧州では29.0%増の156.48億ドルと、前月から拡大に転じた。主な原油輸出国は、メキシコのみ11.7%減の43.50億ドルだった。反対に、石油輸出国(OPEC)は59.3%増の61.50億ドルを示したほか、カナダも3.7%増の31.36億ドルだった。

(カバー写真:CTVnews)

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