February ADP Private Payrolls Back At 200K.
米2月ADP全国雇用者数は前月比21.4万人増となり、市場予想の19.0万人増を上回った。前月の19.3万人増(20.5万人増から下方修正)だけでなく、2015年の平均値20.2万人増も超えている。20万人台の大台を回復し、2010年2月以来の増加トレンドも保った。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、2011年以降の平均値も上回る水準。
内訳は、以下の通り。
▽企業規模別
中小企業 14.4万人増<前月は14.9万人増、3ヵ月ぶり低水準
大企業 7.6万人増>前月は4.4万人増、3ヵ月ぶり低水準
▽業種別
サービス業 20.8万人増>前月は17.4万人増、3ヵ月ぶり低水準
(米1月ISM非製造業景況指数の雇用は51.6と前月の55.7以下、米2月マークイット・サービス業PMI速報値は54.2と、前月の54.3とほぼ変わらず)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 5.9万人増>前月は3.8万人増、3ヵ月ぶり低水準
・金融 0.8万人増<前月は1.8万人増、5ヵ月ぶりの高水準
・貿易・輸送・公益 2.0万人増、直近で最低<前月は2.6万人増、8ヵ月連続で増加
・財生産業 0.5万人増、5ヵ月連続で増加したなかで最低<前月は0.9万人増
(米2月ISM製造業景況指数の雇用は48.5と、前月の45.9から改善)
・建設 2.7万人増>前月2.6万人増
・製造業 0.9万人減、4ヵ月ぶりの減少<前月は0.3万人増
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「世界の金融市場が混乱に陥ったにもかかわらず、米国の雇用製造マシンは高水準で回転している」と指摘。エネルギー関連企業が原油安を背景に雇用を抑制するものの、「その他のセクターは力強い伸びを示しており最大限の雇用達成は早々に迫りつつある」と楽観的に結んだ。
バークレイズのジェシー・米エコノミストは、今回の結果を踏まえ「統計手法を変更した2012年後半から、非農業部門就労者数(NFP)速報値とのかい離は4.4万人」と指摘しつつ、「米2月雇用統計・NFPのエコノミスト予想平均値の21.5万人増、民間就労者数の同平均値21.0万人増に沿う数字」と振り返った。同氏の予想も、コンセンサスに近いとまとめている。
——1月米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文では雇用の伸びをめぐる文言を「堅調な(solid)」から「強い(strong)」へ上方修正しましたが、同議事録でも利上げにためらいを示しつつ労働市場への強気スタンスは変わらず。米1月雇用統計の鈍化を経て2月に改善が鮮明になれば、この文言を維持することでしょう。
(カバー写真 : Cydcor/Flickr)
Comments
MBA住宅ローン申請件数指数は2週連続で低下、金利下げ渋りで借換が弱い Next Post:
ベージュブック、経済活動は拡大も金融市場への不透明性を指摘